Excelsior Brass Band
一言メモ
Teogene Baquetによって組織されたブラスバンド。
記録に残る中では最も古いブラスバンドの一つと言える。
活動時期
1880年 ~ 1928年
主要メンバー
- Teogene V. Baquet (cornet, leader)
- George Moret (trumpet, leader)
- Edward Clem (trumpet)
- Frank Jackson (trumpet)
- Fice Quire (trumpet)
- James MacNeil (trumpet)
- George Hooker (trumpet)
- Arnold Metoyer (trumpet)
- Peter Bocage (trumpet, leader)
- Andrew Kimball (trumpet)
- Sidney Desvignes (trumpet)
- Aaron Clark (trombone)
- Anthony Page (trombone)
- Harrison Barnes (trombone)
- Honore Dutrey (trombone)
- Buddy Johnson (trombone)
- Sunny Henry (trombone)
- Vic Gaspard (trombone)
- George Baquet (clarinet)
- Alphonse Picou (clarinet)
- Lorenzo Tio Snr. (clarinet)
- Luis Tio (clarinet)
- Lorenzo Tio Jr. (clarinet)
- Charlie McCurdy (clarinet)
- Sam Dutrey Snr. (clarinet)
- Willie Humphrey Jr. (clarinet)
- Isidore Barbarin (alto horn)
- Joe Payton (alto horn , leader)
- Vic Gaspard (baritone horn)
- George Hooker (baritone horn)
- Frank Jackson (tuba)
- Frank Robinson (tuba)
- John Robichaux (drums)
- Clay Jiles (drums)
- Louis Cottrell Snr. (drums)
- Dee Dee Chandler (drums)
変遷
Teogene Baquetの時代
最初期のExcelsior Brass Bandについて知ろうとするならば、19世紀後半の新聞や黒人の定期刊行物などに頼ることとなり、こうした記録の中で最も古いものは、1881年4月下旬に街の祭りで演奏していたというものだそうで、少なくともこの時にはExcelsior Brass Bandは存在していたことになる。また1981年8月15日付の「New Orleans Picayune」紙には、Excelsior Brass Bandがパレードに参加したことが掲載されているが、その中にバンドの人数についての記述があり、これによって16人編成であったことが明らかになっている。
最初期のExcelsior Brass Bandのメンバー(1885年の記録)は、コルネットがTeogene BaquetとFice Quire、クラリネットがLorenzo Tio Snr.とLuis TioのTio兄弟、ヴァルブトロンボーンがAnthony Page、そしてアルトホーンにHackett兄弟とされている。リーダーはTeogene Baquetが務めた。
Teogene BaquetはE-flatコルネットの名手として知られ、その息子のGeorge BaquetとAchille Baquetを含む幾人かの生徒を抱える音楽教師でもあった。1904年までExcelsior Brass Bandのリーダーを務め、Isidore Barbarinの証言(1959年のインタビュー)によると1920年前後にテキサスで死んだ。
Excelsior Brass Bandの二人のクラリネット奏者、Tio兄弟の一族は1859年にメキシコに移住したのでLorenzo(1866~1920)もLuis(1863~1927)もメキシコで生まれた。母親とともにニューオリンズに帰ってきたのが、1877年のこと。この二人はクラリネット教師として名声を得たが、Lorenzoの方はそれだけではなくブラスバンドのアレンジの仕事もしていたようだ。1880年代初め頃からExcelsior Brass Bandで演奏をしていたが、楽器の方はと言うと、LorenzoがE-flatクラリネットで、LuisがB-flatクラリネットであった。
Buddy Boldenのバンドと人気を二分したとも言われる楽団リーダー(1893年に結成)のJohn Robichauxが、ベースドラム奏者として参加していた時期もあるそうだ。ちょうど1892年から1903年にかけてのことだという。
1890年代後半になると、Teogene Baquetの息子のGeorge Baquetが加入し、Alphonse Picouも時々演奏に参加したという。コルネット奏者については片目のEdward Clemと、後にリーダーとなるGeorge Moretが加入し、メンバーの世代交代が行なわれたのがこの時期である。結成当初からのメンバーであったTio兄弟も、1900年前後にはExcelsior Brass Bandを離れたという。
そうした流れの中で、1904年にTeogene Baquetは引退を決意し、Excelsior Brass BandをGeorge Moretにまかせると、その後は死ぬまでテキサスで暮らした。こうしてExcelsior Brass BandにおけるTeogene Baquetの時代は終わった。
George Moretの時代
1904年にTeogene Baquetが引退するとリーダーの座を受け継いだのはGeorge Moret(1871~1925?)であった。George MoretがExcelsior Brass Bandに加わったのが、1890年代の後半のこと。かれの父親のLenair Moretは有名なコルネット奏者であったし、兄弟のEugene Moretもコルネット奏者としても音楽教師としても知られていた。そして、父や兄と同様に、George Moret自身も確かな実力を持つコルネット奏者の一人であったのだ。Peter Bocageは、実力のあったコルネット奏者としてArnold MetoyerやManuel Perez、Andrew Kimballに並べて、George Moretの名をあげている。
この時期の主なメンバーをあげると、コルネットにGeorge MoretとArnold Metoyer(他にもAndrew KimballやJames Brown Humphreyが参加したとも伝えられる)、トロンボーンにVic GaspardとHonore Dutrey、アルトホーンにJoe Payton(Isidore Barbarin説もあり)、チューバがFrank Jackson、クラリネットにAlphonse Picou、Charles McCundy、スネアドラムがLouis Cottrell Snr.、ベースドラムがClay Jiles。
クラリネット奏者のAlphonse Picouは、以前から時折演奏に加わることはあったが、レギュラー奏者になったのは、George Moretがリーダーになった後の話だ。その後、1920年代までAlphonse PicouはExcelsior Brass Bandにとどまる。第一次世界大戦のころにはRobichaux楽団のCharlie McCurdyがC-クラリネットで演奏に加わっている。
トロンボーン奏者のVic Gaspardは、最初期のExcelsior Brass Bandのトロンボーン奏者Anthony Pageの生徒でバリトンホーンとトロンボーンの両方が吹けた。後にはバリトーンホーン奏者として活躍するようになるが、Excelsior Brass Bandではトロンボーンを吹いていたようだ。
スネアドラムのLouis Cottrell Snr.はPaul Barbarinの証言によると「初めてにして最高のスネアドラム奏者であった」そうだ。ドラム教師としても有能であったそうで、Alfred Williamsが「Louis Cottrell Snr.の死後、真の意味でのドラム教師はいなくなってしまった」と発言している。Louis Cottrell Snr.は、1915年にManuel Perezとともにシカゴに、また1923年と1924年にはArmand J. Pironとともにニューヨークに行っている。こうしたスネアドラム奏者不在の際は、おそらくその場その場で代役を立てていたのだろうが、実際にAlex Bigardが1919年にLouis Cottrell Snr.の代役を務めたことが記録に残っている。(Alex BigardはLouis Cottrell Snr.の生徒であった。)
1922年か1923年にGeorge Moretはリーダーを降りた。次のリーダーとなるPeter Bocageも、この頃には加わっていた。Peter Bocage自身の証言によると、かれがリーダーになったのは、Moretが死んだ1925年のことだそうである。
Peter Bocageの時代
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