George Baquet
基本情報
生年月日 |
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1883(New Orleans, Louisiana) |
命日 |
1949/01/14(Philadelphia, Pennsylvania) |
使用楽器 |
Clarinet |
経歴
父親のTheogene V. Baquet(1858~1920)は、Excelsior Brass Bandを組織し、1880年から1904年まで同ブラスバンドのリーダーを務めたという偉大なる音楽家であった。ちなみに、弟のAchille Baquet(1885/11/15 ~ 1956/11/20)はPapa Jack LaineのReliance Brass Bandのクラリネット奏者で、後にOriginal New Orleans Jazz Bandで録音も残している。
George Baquetは、 14歳の時に父親がリーダーを務めるLyre Club Symphonic Orchestraに、E-flatのクラリネットで参加した。これが彼のデビューであった。その4年後の1900年にはOnward Brass Bandに加入。1901年から1902年にかけては、Manuel Perezがリーダーを務めていたImperial Orchestraで演奏。当時のニューオリンズのトップバンドで活躍する。また、1902年から1904年にかけてはミンストレルのツアーにも参加した。
このツアー後も、さまざまなニューオリンズのバンドで演奏したそうだが、Buddy Bolden's BandやJohn Robichaux's Orchestraに加わる機会もあったようだ。1908年にはOriginal Superior Orchestra、1908年から1914年にはMagnolia OrchestraとOlympia Orchestra。この一連のバンドでの活躍で名が知られると、Bill JohnsonのOriginal Creole Orchestraに誘われ、ニューオリンズを離れることになる。その後しばらくは、シカゴやニューヨークで活動した。1917年には自身のバンドを率いてフィラデルフィアへと移る。1930年代には、このバンドはGeorge Baquet's Swingstersとして知られることになる。
手に入りやすい音源としては、1929年のJelly Roll Mortonとの録音がある。彼の業績の割には、その演奏は並みのクラリネット奏者に過ぎないという評もあるが、この頃のGeorge Baquetが全盛期ではなかったことも考慮するべきだろう。
George Baquetは、幼い頃のSidney BechetやJimmie Nooneに多大な影響を与えたと言われる。また、一般的にはAlphonse Picouの業績とされている「High Society」の有名なソロも、実際にはGeorge Baquetが考案したという話も伝えられている。偉大なる初期のクラリネットのパイオニアであった。