James Brown Humphrey
基本情報
生年月日 |
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1859/11/25(Sellers, Louisiana) |
命日 |
1935/11/25(New Orleans, Louisiana) |
使用楽器 |
Trumpet |
経歴
James Brown Humphreyは、ジャズ発祥以前のニューオリンズで活動した音楽家・バンドリーダーであったが、ジャズ史においては、草創期のジャズミュージシャンを教えた音楽教師として知られている。ミシシッピー川のデルタ地帯にある大規模農園で行われた音楽教育は、当時のミュージシャンを技量的に底上げし、結果として、ジャズ成立に影響を与えることになった。"Professor Jim"という名前で呼ばれることもある。
James Brown Humphreyは、1859年にルイジアナ州セラーズのコーンラッド農園で生まれた。その出自は奴隷所有者と奴隷の間に生まれたクリオールである。幼少期に生家から追放されて、黒人家族の中で暮らしていたが、父親は音楽教育も含む金銭的な援助だけは続けていた。こうした環境の中でJames Brown Humphreyは正式な音楽教育を受けた熟練した音楽家に育った。
ニューオリンズでクラシック音楽家としての仕事に就き、コルネットやトランペットを吹く傍らで、James Brown Humphreyはミシシッピ川沿いの大規模農園を訪れ、ブラスバンドを組織すると農園の労働者を相手に音楽を教えていた。彼の音楽教育の特徴はシンコペーションのあるジャズ特有のフレージングの練習曲にあり、これをマスターした彼の教え子たちがジャズ発祥の時期にニューオリンズで活躍した。
James Brown Humphreyの主な教え子には、Sam MorganやChris Kelly、Sunny Henry、Harrison Barnesなどが名を連ねる。マグノリア農園では、彼ら若手ミュージシャンが参加するEclipse Brass Bandを率いていた。
James Brown Humphrey以後のHumphrey家は音楽一家となった。息子のWillie Humphrey Snr.はクラリネット奏者。娘のLillian Humphreyは管弦楽団のベース奏者になった。Willie Humphrey Snr.の息子たち、すなわちJamesの孫にあたるWillieとEarl、Percyの兄弟は、それぞれクラリネット、トロンボーン、トランペットを吹き、Preservation Hall等で活躍した。