Smalls Paradise
説明
Smalls Paradiseはニューヨークのハーレム地区にある、黒人の実業家のEdwin Alexander Smallsによって設立されたナイトクラブである。(Small's ParadiseやSmalls' Paradiseと表記されることもある)良質なジャズが聴けるだけでなく、ウェイターがチャールストンを踊ったり、ローラースケートで移動しながら料理を届けたりと言ったエンターテインメント性の豊かな演出もあったようだ。
1925年10月26日にSmalls Paradiseがオープンした際には、Charlie Johnson's Paradise Orchestraが出演しており、約1500人もの客が訪れたと伝えられている。Charlie Johnson's Paradise Orchestraには、Jabbo SmithやBenny Carter、Jimmy Harrison、Sidney De Paris等が参加していた。
1920年代に出演していた中には、Sam Woodingもいた。Smalls ParadiseでのSam Woodingの楽団の演奏を聴いていたロシア人の興行師がオファーを出したのがSam Woodingの欧州ツアーのきっかけであったようだ。
1920年代後半から1930年代にかけて、バンジョー奏者のElmer Snowdenも自身の楽団を率いてSmalls Paradiseに出演していた。
このElmer Snowden、Charlie Johnsonの両楽団のメンバーがSmalls Paradiseを舞台にセッションすることも多かったようで、このハウスバンドとのセッションに参加する為に、Glenn MillerやTommy Dorsey、Buddy Rich等の白人ミュージシャンがSmalls Paradiseを訪れていたという話も残っている。
Fats WallerもSmalls Paradiseを頻繁に訪れていた音楽家の一人であり、1934年にVictorとレコーディング契約を結んだ際に、録音用の楽団のサイドメン(Herman AutreyとHarry Dial)をSmalls Paradiseのハウスバンドからスカウトしている。
1955年に、このナイトクラブは、Ed SmallsからTommy Smalls(同姓だが親戚関係ではない)に売却され、その後、ハーレム地区の実業家のPete McDougalとWilt Chamberlainの手に渡った。Big Wilt's Smalls Paradiseと名を変えた後も、1986年まで運営されていた。