Savoy Ballroom (Chicago)
説明
Savoy Ballroomは、1927年11月23日にシカゴにオープンしたホールで、精巧な装飾と3階建てのサブフロアを備えた豪華な建物であった。Savoy Ballroomがあったサウスパークウェイ地区は、当時、「シカゴのハーレム("Harlem of Chicago")」とも呼ばれていたという。このボールルームの洗練された雰囲気は、上昇志向の強い黒人音楽家を惹きつけ、その結果、実力のあるミュージシャンが出演するようになり、シカゴのナイトスポットとしての評判を確固たるものにした。
1926年に不動産プロモーターであるHarry M. EnglesteinとLouis Englesteinによって、Savoy Ballroomが設立され、これを運営するにあたって、有名なボールルーム経営者であるI.Jay Faggenと提携したと言われる。(Faggenの経営するボールルームには、ニューヨークのRoseland Ballroom、Blue Bird Ballroom、ブルックリン地区のRosemont Ballroom、ハーレム地区のSavoy Ballroom (New York)、シカゴのCinderella Ballroomなどがあった)
1927年にオープンしたSavoy Ballroomは、1年前にニューヨークのハーレム地区にオープンした同名のSavoy Ballroomを彷彿させる広大なダンスホールで、シカゴの黒人向けの新聞「ディフェンダー紙」にも「シカゴの人々は、Savoy Ballroomほど豪華なものは目にしたことがない」と絶賛されたという。
出演したミュージシャンとしては、Louis Armstrong、Dave Peyton、Charles Elgar等。レギュラーではなかったものの、1930年7月にシカゴに来たDuke Ellingtonの楽団が出演した他、1931年にはCab Callowayの楽団、Bennie Motenの楽団がSavoy Ballroomに出演している。
1940年までは音楽を絶え間なく演奏し続ける為に必ず2つのバンドが出演する形式を採っていたという。常連客のほとんどは黒人であったが、偉大なジャズバンドの演奏を聴いて踊る為に白人客の割合も徐々に増えていたと伝わっている。1948年に閉館し、1970年代初頭に都市計画の一環として建物も取り壊された。