Joe Venuti
基本情報
生年月日 |
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1903/09/16(Philadelphia, Pennsylvania) |
命日 |
1978/08/14(Seattle, Washington) |
使用楽器 |
Violin |
経歴
本名はGiuseppe Venutiという。1903年にフィラデルフィアで生まれたとされているが、これについては諸説あり、イタリアのミラノ近郊のレッコという町で1894年に生まれたという話もある。どの説が本当なのかとJoe Venuti自身に質問すると返ってくるのは「イタリアからアメリカに向かう船の中で生まれた」というもので、独特のユーモアのセンスを持っていたJoe Venutiの発言が更に話を混乱させる。
ともかく、このイタリア系アメリカ人のヴァイオリン奏者は、その多感な少年時代をフィラデルフィアで過ごしたことだけは間違いない。幼馴染のEddie Langはギター奏者で、幼い頃から二人でセッションをしていたようだ。この幼馴染との交流は、1933年にEddie Langが亡くなるまで続いた。
1919年頃にはアトランティック・シティでEddie Langと共に演奏活動をしており、この頃にはRed Nicholsのバンドで働くために二人でニューヨークに行ったこともあったという。Bert Eslowのクインテットに参加したのが1921年のことで、ここでもEddie Langと一緒であった。その後、1924年にはデトロイトでJean Goldketteの楽団に参加するが、ここでの録音がJoe VenutiとEddie Langの初録音となった。
1925年にニューヨークに移ってからも、その活躍は続き、1926年にはFrankie TrumbauerやPaul Whiteman、さらにはHoagy Carmichaelなどとプレイする。1926年から1928年にかけてJoe Venuti's Blue Fourの名義での録音を行うが、このセッションは室内楽的なサウンドが話題になった(Frankie TrumbauerやAdrian Rollini、Jimmy Dorseyなどが参加)。その後、1929年にPaul Whitemanの楽団に参加すると、数年間ここに在籍した。
1934年にバンドを率いてイギリスを訪問する。その後も自身のバンドを1940年代初頭まで維持した。バンドを解散後もアメリカ西海岸を中心に演奏を続け、1953年の春には再度イギリスを訪問している。また、1950年代以降はラジオやテレビにも出演していて、とくにBing Crosbyのラジオ番組ではレギュラーの扱いであった。1960年代になってラスベガスやロスやシアトルで演奏を続けていたJoe Venutiは、その後、1968年に発見され、この年のニューポート・ジャズ祭に出演している。その後、1970年に病気になるものの、見事に復帰し欧米のジャズ祭への出演やレコーディングなどをこなした。1970年代半ばにはZoot Simsとの録音がある。
1978年に亡くなったJoe Venutiの享年については、どの資料を参考にするかにもよるが様々な記載(72歳から84歳まで諸説あり)がされており、最期まで出生の秘密が明らかになっていない。なんとも彼らしい話である。親友であったEddie Langとの関係から推測するに、おそらくは1903年誕生説が正しい。