Emanuel Sayles
基本情報
生年月日 |
---|
1907/01/31(Donaldsonvillie, Louisiana) |
命日 |
1986/10/05(New Orleans, Louisiana) |
使用楽器 |
Banjo, Guitar |
経歴
Emanuel Saylesは、 1907年1月にルイジアナのドナルドソンヴィルで生まれた。早い時期にバイオリンやビオラなどを学んだ事もあるそうだが、バンジョーとギターについてはまったくの独学であったようだ。フロリダのほうで高校に通った後、ニューオリンズに移る。その後共演したミュージシャンには、Fate MarableやArmand J. Piron、Sidney Desvignesなどがいる。
1929年にはJones-Collins Astoria Hot Eightのレコーディングに参加。このバンドのレギュラーバンジョー奏者はRene Hallであり、Saylesはこのレコーディングのための急遽の参加であった。録音された4曲のうち『Damp Weather』はSaylesの作曲となっている。この一連の録音ではソロを聴く事もでき、若き日のSaylesを知るための貴重な資料となっている。
その後、1933年にはシカゴに移り、自分のバンドを持つこととなる。シカゴでは、このバンドの他にも様々なバンドを巡っていたようである。ニューオリンズに戻ったのが1949年というから、30年代から40年代にかけては、ほとんどシカゴで演奏していたという事になる。
ニューオリンズに戻ってからのSaylesは、地元のさまざまなプレイヤーと共演しているが、まず特筆すべきはGeorge Lewisであろう。George Lewisのバンドには、Lawrence Marreroの死後参加し、1963年には日本公演で初来日。続く1964年にも来日している。聞くところによると、Marreroの名演で有名な「The World Is Waiting For Sunrise」はあまり好まなかったという話もある。(来日時の映像では「The World Is Waiting For Sunrise」のソロの時だけ笑顔が見られず、一方で、他の曲の演奏中は柔らかい表情をしているようだ)
プレイスタイルに関しては、いわゆる「鈴の音奏法」のほか、ソロにおいては単弦フレーズも聴く事ができる。Sweet EmmaのPreservation Hall Jazz Bandなどで聴く事のできるバンジョーらしいプレイの方がジャズファンにはよく知られているが、Louis Cottrell Jr.とのトリオ(1961年)では、ギターでかなり洗練されたフレーズも弾いている。
他には「Banjo On Bourbon Street」でのバンジョー2本とベースによるトリオという変わった編成での演奏も残っている。