Cotton Club
説明
Cotton Clubは、ハーレムで最も華やかで悪名も高いナイトクラブとして知られている。
1918年に設立されたDouglas Clubという名前であったが、1920年にボクシングのヘビー級チャンピオンであったJack JohnsonがClub Deluxeと名を変えて経営を始めたのがCotton Clubの始まりである。
Jack Johnsonによる経営はうまく行かず、この事業はハーレムのギャングスターであるOwney Maddenに売却されることになるのだが、この頃にCotton Clubという名前になった。Owney Maddenはこのクラブを非合法の密造ビールの流通の為にも利用し、多くの有名犯罪者がCotton Clubに出入りしていた。
また、Cotton Clubでは、多くの黒人エンターテイナーを雇用している一方で、顧客は白人に限定されており、たとえ白人の客であっても、黒人の友人を伴ってCotton Clubを訪れると出入りを許されなかったという話が残っている。当時の事情としては、人種間の揉め事の無い安全な環境を白人客に提供する為に、これをやむを得ぬルールだと考えるクラブが多く、Cotton Clubもその一つであった。
ヤシの木やジャングルをあしらった装飾や最高の黒人エンターテイナーが出演していたことでも有名。ジャズ以外ではBojangles RobinsonやNicholas Brothersのダンスも人気であった。Duke Ellingtonの楽団は1920年代後半から約5年程Cotton Clubに出演し、1931年にDuke Ellingtonがツアーに出ると、その後任としてCab Callowayの楽団が雇われた。
クラブのオーナーであるOwney Maddenが1933年に刑務所に収監され、その後、ハーレムで起きた人種差別が原因の暴動などの影響もあり、ハーレムのCotton Clubは1936年に閉店することとなる。(ブロードウェイに移転し、運営は続けられた)