テイルゲイト(Tailgate)
提供: 初期のジャズ
説明
ニューオリンズ・ジャズ風のトローンボーンの演奏スタイルのことである。その代表的な奏者は、やはりKid Oryであろう。テイルゲイト・トロンボーンの創始者とされる演奏家は、自薦他薦を問わず幾人かいるが、この奏法自体は自然発生的に出現したものだと思われる。あえて一人の奏者を選ぶならば、その時期の最高のトロンボーン奏者Kid Oryの名を挙げるしかない。
20世紀始めごろ、主として屋外で演奏をしていたブラスバンド型のジャズバンドが、パレードやピクニックに同行する場合、馬車に乗って演奏をすることがあった。トロンボーン奏者は、そうした馬車の中での演奏の際、トロンボーンのスライドを操作する動作の自由を確保するために、広々とした馬車の後部に座るのが一般的であった。テイルゲイトという名前は、このトロンボーン奏者の座席の位置に由来している。馬車の最後尾でスライドを自由に動かすトロンボーン奏者は、まさにグループの尻尾のように見えたのだ。